「オデッセイ」の映画評

ひさしくわすれていた宇宙へのロマンを思い起こさせてくれたわ~

どの世代にひとにとっても面白いと思うが、とりわけ40代から50代くらいのひとにはドはまりするだろう。
なにせ、このあたりの世代は、子供のころにいちどは宇宙へのロマンを抱いたはず。 1980年前後は、世の中ぜんたいの空気がそうした感動を漠然ともとめていたようにおもう。スペースシャトルの活躍が華やかりしころだったし、 アニメでは「無限にひろがる大宇宙。。。」のナレーションに子供心をワクワクさせた。名著「COSMOS」ときいて、「あー、そういう本もあったなぁ」という方もいるのでは。

映画では、作業中のハプニングからひとり火星に取り残された主人公の奮闘、および彼を救助すべく関係者たちの努力をえがいている。過度なCG演出もないので、静かでうつくしい火星表面がうつしだされる場面もおおい。その風景をみているだけでもこころ癒される。f分の1のゆらぎにひたれるというか。困難で気がめいりそうな実人生を耐え抜く希望もわいてきた (わたしのばあいであるが)。

みなさんは、「JPL」をきいたことがあるだろうか? これは、カリフォルニア州・パサデナにある NASAのジェット推進研究所の略称 (Jet Propulsion Laboratory: JPL)である。 その研究所ではたらくひとりのエンジニアが、短時間で火星に到達する航路の計算方法をおもいつき、猛烈にシュミュレーションをはじめたシーンがこの映画でもっとも印象的だった。 熱中、没頭、好奇心、、ぜいたくで見ててうらやましい。自分もそうありたいと。。 ちなみに、わたしが学生のころ「人生が順調にいっていたら、今頃はジェット推進研究所で活躍してたわ」とクラスメートに吹聴していたことをこの映画をみておもいだした (笑)。

この映画も「グラディエーター」とおなじリドリー・スコット監督の作品。映画「スピード」で、キアヌ・リーヴスの同僚役だった警官が、本作品ではNASAの長官役に。

ひさしぶりに宇宙へのロマンを思い起こさせてくれる本作品をみれば、なつかしい、カタルシスをあじわえる。日常の閉塞感にくるしんでいるひとも、この映画から勇気をえられるだろう。

追記

今日、2021年11月7日(日)にNHKのニュースで宇宙ステーションのことを放送していた。それを見て、ふと「火星に行きたいな」とおもった。

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