「プレデター (1987年)」の映画評

あまりに有名な作品。「エイリアン2」と双璧をなすSF映画の金字塔。 シナリオがシュワちゃん部隊VSプレデターという構図なので誰にもわかりやすく、それでいてとてつもなくおもしろい。

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ゲリラにとらえられた味方の救出作戦(すくなくとも表向きは)がストーリーの発端。 シュワちゃん率いる精鋭部隊は、このジャングル奥地にあるゲリラ勢力の本拠地にヘリコプターでおくりこまれる。 シュワちゃん部隊はこのゲリラ勢力を奇襲し、陣地もろとも木端微塵にしてしまう。。 ゲリラとの戦闘シーンでの見どころはまったくない。こんなマヌケなゲリラがはたして現実にいるのだろうか。 このゲリラ掃討戦後、帰還の途上でシュワちゃんチームが謎の敵にひとりまたひとりと襲われる場面からがこの映画の本番幕開けとなる。

注目してほしい俳優がいる。マック軍曹を演じるビル・デュークだ。彼の演じる印象的なシーンをふたつあげる。 ひとつめ。仲間の兵士ブレインがプレデターにやられた現場に到着したマック軍曹は、そこではじめて謎の敵を視認する。 その敵が半透明のすがたであることに戦慄したマック軍曹は、恐怖で顔をゆがませながら仲間に敵の存在を知らせると同時に、射撃をかいしする。 その鬼気迫る乱射シーンは映画史上屈指だろう。ランボーよりも迫力があるのだ。 あまりのすごさにこのシーンのあと、しばらくは主役のシュワちゃんの存在がかすんでしまう。「あら、そこにいたの?」みたいな。

ふたつめ。ここにいたってチーム全員が謎の敵の存在を認識したあと、マック軍曹がプレデターを追撃するシーンだ。 ここでの演技はあまりにも素晴らしい。どんな人もこの演技をみれば称賛せずにいられないだろう。 「背の高いサリー。かわいいサリー。おじさんの欲しい物は何でも持ってる。アーメン。。楽しんでやる。楽しんでやるぞ。楽しんでやる。楽しんでやる。。」 と意味不明なセリフをうめきながら重装備と帽子を捨て、斜面をよじのぼっていくシーンが最高の見せ場。 恐怖のあまりマック軍曹は、完全にあたまのヒューズがはずれてしまっている状態なのだ。その熱演がすごい。 結局、この追撃は失敗して背面ほふく前進中に待ち伏せしていたプレデターにやられてしまう。そのやられっぷりもまた見事。 これら名場面いがいにも、本作でビル・デューク演じる印象的な場面は数おおい。 主人公のシュワちゃんをのぞけば、MVPだろう。

映画「プレデター」は、ジョン・マクティアナン監督による1987年公開の映画。 この監督は、「ダイ・ハード」や「レッド・オクトーバーを追え!」も手がけている。 「ロッキー」のアポロ役でおなじみ カール・ウェザースも本作に登場。
なお、絶賛したビル・デュークは、おなじくシュワちゃんの代表作「コマンドー」にも今度は敵役でキャストされている。
「コマンドー」の映画評

若い世代の方で「プレデター? 見たことないなぁ」という方は結構いるのではないか。 そういった方々には、本作品を是非みてほしい。めちゃくちゃおもしろいから。

関連リンク

ビル・デューク (Wikipedia)
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